6月30日は3番隊が誇る健康優良児、元気ハツラツ天真爛漫少年要員こと、アルシュ・チンシァオくんのお誕生日でした。
今回は世界線で言えば墨中國史世界線の大人アルシュ君のイラストを描いたので(少年とは…?)ということになっていますが。
とても大型犬っぽくて元気で天真爛漫な性格は大きくなっても変わらない場合が多いので、彼の心根は多分永遠に少年なんじゃないかな〜と安易に考えています。
そんなアルシュの生まれた経緯などをちらちらっと、誕生日にかこつけて書きたいと思います。
キャラクターが生まれた(位置付けが固まった)順で言うと、3番隊の中ではアルシュが一番末っ子かなと思います。
一番最初に甍がいて、本編世界線で3番隊という部隊の設定ができたあと、まず頭脳班のリタが生まれ、整備班のワトソン、医療班のグライフ、諜報班のBFK、狙撃班のストラスモア…
の順番で、迷いながらではあれそれなりにトントン拍子で設定が固まっていきました。が、最後の7人目で迷走しました。
7人目はいっそ女の子にする案とかもあったのですが、シュミレーションしても妙にしっくりこなかったり、3番隊の会話にイマイチ馴染まない…
(というか、野郎共が女の子に対して妙に気を遣ってしまい悪目立ちしてしまう事態が発生しました)
ので、やっぱり男子だけで統一しようということになりました。
じゃあ年齢や性格はどうするかと考えた際、3番隊最年少のリタ(11歳)とその他の隊員(大体20代前後)の年齢にかなり開きがあることに思い至ります。
そして、隊員全員の精神状態は基本的にシリアス志向。
ここで少年と青年のさらに間の年齢…14〜15歳くらいの、微妙な年頃の子にしようと決まります。
そしてシリアスをポジティブに変えてしまうようなポテンシャルを持っている子をチームに加えることで、3番隊というチームを精神的にプラス方向へ導く起爆剤にしよう、となりました。
そうして生まれたのが、アルシュです。
利発的な性格なのでテーマカラーは赤。元気そうにうろちょろしてるとかわいい見た目にしよう、とデザインもわりと早くに決まりました。
立場としては、半人前ながら将来は甍の次点的主要戦力になる有望株の攻撃班。そのせいかアルシュにはいつも成長・希望といったイメージがつく傾向があります。
これでリタにとっては自分よりお兄さんであるにしろ、他の隊員より自分に歳が近い人との関わりができてきます。
でも自分よりもずーっとポジティブで元気である意味子供っぽいアルシュの存在が、アダルトチルドレンのリタにとってはかなり異質で新鮮に見えています。
最初はなかなか馴染むのが大変で困惑もありつつ、それでもやっぱり心が沈み込みがちな気質の人間にとっては、アルシュの底抜けの明るさに助けられていくシーンというのが出てくるんだと思います。
それは他の隊員にとっても同じことで、放っておくとどんどん思考が重たくなっていくシリアス志向の集まりである3番隊メンツは、アルシュが突然ものすごい明るさでやってくるとびっくりするわけです。
アルシュは基本的に感情を我慢するということが得意ではないので、笑ったり泣いたりとにかく忙しい。それはときに自分と折り合いをつけるという名目で感情をごまかし続けてしまう人が多い3番隊の、感情の代弁者になったりするわけです。
自分達の代わりに泣いてくれたり、笑えるきっかけを作ってくれたりする年下のアルシュと、一緒になってふざけたり、泣くなしゃんとしろと声をかけながらも、実はアルシュが自然のままに感情を剥き出しにすることに救われている。
そんな好循環を生むために、アルシュは3番隊に必要なんじゃないかなーと思っています。
つまり生まれついての愛されキャラですね…おかげさまで元気に育っています( ◜ᴗ◝ )
アルシュの出身はチベット高原の山間部ですが、血統で言えばフランス人の父と中国人の母親のハーフの子供です。
それをひょんなことから養父として育てることになったチベット族の好々爺・ガセンという男性がアルシュの育ての親、という設定になっています。
☟ガセンのビジュアルがこちら
偶然中国に出向いた時に、アルシュを引き取ることになったガセン爺ちゃんですが、アルシュと血縁関係は何にもありません。
ただチベットの山に一緒に住んで、のびのびと暮らさせてあげることにしました。
"アルシュ"の名前は生まれた時に両親がすでに決めていたようなんですが、苗字が分からなかった。分かったのは母親が中国人らしいことだけ。
だからガセンは中国語で请笑("笑って"という意味なんだそうです)の名前をつけました。
チベット語ではなくあえて中国語にしたのは、アルシュ(フランス語、父親由来)とチンシァオ(中国語、母親由来)で自分のルーツのことを忘れないでいられるように。
それからアルシュがチベットという土地に縛り付けられることがないようにです。
この子はいつか自分の手を離れて広い世界に出ていくだろう、と思っていたガセンは、チベット語よりも多く使われている言語である中国語で名前をつけました。
十数年後、それは現実となりアルシュは3番隊に加入することになります。
请笑って本来人の名前にはつけないものじゃないかなと思うのですが、爺ちゃんも中国語はあんまり得意じゃないながらに無理矢理つけた疑惑ありますね。
(アルシュは気に入ってそうなのでまあ大丈夫なんじゃないですかね)
因みにメタ的な話をすると今回も紙の名前から拝借しているので、アルシュは『アルシュ紙』(主に水彩紙が有名、版画紙でベランアルシュもある)が名前の由来になっており、ガセンは『画仙紙』(主に日本画、絵葉書でも使われる)が名前の由来になっています。毎度のことながらそのまんまです。
余談ですがガセン爺ちゃん描くのとっても難しかったですね。
ちょっと貞本顔というか…浦沢顔というか、そういうタイプの顔です。
最近は爺自体を描いていないというのもあったのですが、3年くらい前から脳内にビジュアルはあったのにいつまでも画面上に描かなかったので、理想ばっかり先行して描きづらかったのだと思います。はよやれ。
この記事のためだけに一念発起して爺ちゃん描きましたが、今後こんな風にどんどん作品に関する設定を出して詰めていきたいなーと思います。
な〜〜〜んて書いてるうちまた記事が長くなってしまいましたね!
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
それではまた次の更新で。
cona